【首都高・NEXCO】高速道路の迂回(大回り)・周回走行について
高速道路というのは,目的地により早く安全に到着するために建設されたものであって,それを求める人々が利用しています。しかし,一部には高速道路を走行すること自体が目的で利用する人もいます。私も時にその一部の人間になります。走ることが目的ですので,高速道路を乗る場所と降りる場所が離れている必要は無いのです。
(2021/2/24 記事本文修正,コメント随時回答中)
今日日本全国には高速道路網が張り巡らされています。これを利用し様々な高速道路を経由して入口とほど近い出口から降りる,この行為の中で特に同じ経路・地点を二度通る走行を「周回走行」と呼び,そうでない走行を「迂回走行」または「大回り走行」と呼びたいと思います。
ドライブを楽しむ者にとっては経費を抑えて楽しむことのできる手法でありますが,これらは場合によってはルール違反となることもあります。当然そうなってしまうことは避けたいのでネットなどを駆使して調べますが,どうしても詳しく説明のあるサイトが少なかったり,ここのように個人のブログなどばかりですから結局は自分で調べねばならないわけです。そこでより情報の少なかったNEXCO管内の大回り・周回走行について,規則などの精査と問い合わせで判明した事実をまとめたいと思います。まず,比較的多くの情報が判明しネット上において綴られていて証明の取れている首都高速道路の場合から解説していきます。
首都高速道路の場合
首都高速道路は,日本の首都である東京とその隣接する3県に環状または放射状に複雑に張り巡らされた自動車専用道で,主に首都高と略されます。また都市計画法等では都市高速道路と呼ばれます。
この管内では,迂回・大回り走行のみならず一度の走行で同じ経路を2度通過できる周回走行が可能となっています。つまり,入口から出口まで途中どこからも降りず,また首都高の管内から出ることが無ければその区間の最短ルートの料金のみが降りた際に徴収されます。(ETC無線通行の場合)
・注意点
①もちろん経路の事前の計画が必須
・・・首都高には途中で他路線に合流せず終点となる盲腸路線や他管轄の高速道路へとそのままつながってしまう区間が存在する。そこへ流入してしまうと周回走行を続けることは不可能となるので注意が必要だ。ちなみに途中本線料金所を通過する場合があるが,周回走行が途切れることはない。
②出入口やジャンクションの方向に注意
・・・首都高に多く存在する,片方向にしか入口や出口のない出入り口や片方向にしか分岐できないジャンクション。これが非常に厄介で,存在する方向でしか料金に反映されるルートの構築が行われない。首都高の車線がすべて記されている公式の道路概略図での確認がおすすめ。また場合によっては逆方向の料金が適用されたりと例外も多いので料金表を確認するのが確実である。
・・・KK線区間も問題なく周回走行に組み込むことはできる。しかしこの区間は10分以内に通過しないと周回走行を継続できない。そう長い区間ではないので大抵は問題ないと思うが,逆に一度KK線から降りて人を乗せたりすることが可能であるため,その際は時間制限に注意したい。乗換所通過時には通行しただけの料金が表示されるが,出口で払い戻しがなされる。
NEXCOの場合
NEXCO(ネクスコ)は,NEXCO東日本・中日本・西日本の3つに分けられる高速道路会社です。日本道路公団の民営化で誕生したもので,日本の高速道路の大半をこれらが管理しています。ここでは北海道・東北・関東一帯担当のNEXCO東日本の場合で解説したいと思います。(基本ルールなどは中日本・西日本ともに同じです)
この管内で同じ地点を2度通る周回走行をした場合,一度通った地点・区間に戻った時点でそこまでを1回の走行としてルート通りの料金が発生します。また,迂回・大回り走行は一部認められており,走行したルートが入口から出口までの最短ルートの距離の2倍に達しない場合のみ最短ルートの料金のみ徴収となり,越えた場合は実際に走行したルートの料金が徴収されます。
ここまでのルールが基本で,NEXCO中日本公式サイトでも解説がなされています。
しかし,これに例外が存在するということがNEXCO東日本への問い合わせによって判明しました。(問い合わせの内容そのままを公開することは規則上できません,ご了承ください。)それは,外環道をルートの途中で利用した場合です。
東京23区の淵・埼玉南部・千葉北西部を走る東京外環自動車道,通称外環道は他のNEXCO管内の高速道路とは料金制度が別で,下限上限料金の設定があります。これにより外環道を通過するルートで迂回・大回り走行をした際,最短ルートの2倍を超えているかの勘案が外環道と他のNEXCO管内道路との接続地点で一度途切れるという処理がなされるようです。具体的には,最短ルートの勘案が「入口→外環道に入る接続地点」,「外環道に入った接続地点→外環道を出る接続地点」,「外環道を出た接続地点→出口」と,3回行われるということになります。この3回それぞれでの最短ルートの距離の2倍までというルールを順守すると,入口→出口の最短ルート料金のみの徴収となります(明細確定の際に調整が入る)(ETC無線通行の場合)(下記の例外に注意)
・(例)
川島IC→(圏央道)→大栄JCT→(東関東道)→高谷JCT→(外環道)→大泉JCT→(関越道)→鶴ヶ島JCT→(圏央道)→坂戸IC
①入口から→東関東道から外環道への接続部まで
川島IC~高谷JCT:最短
②外環道内
③外環道から関越道への接続部→出口まで
大泉JCT~坂戸IC:最短
よって,徴収される料金は川島IC~坂戸ICの70円(ETC,深夜)のみ。
・注意点
①首都高と同じくハーフICには注意が必要で,やはり経路の事前の計画が必須。料金所番号が違う場合に関してはまだ未検証。
(例:湾岸習志野,蓮田スマート…)
②外環及び京葉道路篠崎〜武石の出入口を発着点とした場合または京葉道路京葉JCT〜宮野木JCTを走行した場合は対象外となる。
③料金所通過時と確定前の利用明細には通行したルート通りの金額が出る。
・・・数千円もの料金が表示され焦るが,ルートに問題が無ければ二週間ほど後の明細確定後に調整されカードの請求にしっかりと反映されるので信じて待つのみである。
④距離や時間の制限が不明である。
・・・コメントによると新潟県内の高速を含んでの成功報告あり。
⑤上述の通りETC無線通行のみである。
・・・この特例の根拠となる料金調整がETC車限定の為(下記リンク参照)
⑥その他,この特殊な割引の根拠となる「首都圏の新たな高速道路料金」について解説しているE-NEXCO公式サイトドラぷらのページ下部の注意事項を必読のこと。
→首都圏の新たな高速道路料金 | 平成28年4月1日(金)0時以降の首都圏の高速道路料金について | ドラぷら
さいごに
迂回・大回り走行や周回走行は合法的であれど抜け穴的性格のものですので,好ましい行為とはいえないと考える人がいてもおかしくありません。不正通行の報道もよく目にするそんな状況でありますので,上記の事を自覚しながら絶対にルール違反はしないということだけは守っていくべきであると考えています。
また,お忙しい中こんないやらしい問い合わせに対応していただいたNEXCO東日本の担当者の方には頭が上がりません。内容が内容で回答に時間がかかります,と一度返信を頂いたり,解説用PDFを作成して頂いたりと至れり尽くせりでありました。金,落とさなきゃ…。
※記事の内容を踏まえ質問がある場合や,間違いなどの指摘がありましたら,気軽にコメントかTwitter(@nyantacraft)までどうぞ。
※記事のような迂回走行等を行っても,未発見の条件や道路会社内部の問題などで紹介したような割引が獲得できない可能性もあります。こういった場合も理由に依らず筆者は責任を負うことができませんので,必ず自己責任にてお願い致します。
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